株式投資ブーム
アメリカでは、空前の株式投資ブームと相まってREITが投機的なマネーゲームの対象になり、株と不動産で相乗効果をあげているのです。REITは、資金調達だけに積極的なわけではありません。本業の不動産投資に関してもかなり積極的に動いています。最近も、ウエスティンホテルを傘下に持つホテル専門のREIT、スターウッド・ロッジングがシェラトンホテルを持つITTを一三三億ドル(一兆七千億円)で買収すると発表してアメリカ中を驚かせたばかりです。しかも、買収金額の八割は自社株で支払う内容の提案です。ホテル専門の不動産投資信託が、ホテルチェーンのM&Aを株式交換で提案するところに、いまのアメリカ金融市場の熱狂ぶりを感じ取ることができます。今回のゼル氏のケースでも、一株当たりの発行価格二一ドルは上場初日に二六ドルと二三%も上昇しました。簿価三○億ドル(二一九○○億円)の不動産が、上場によって四○億ドル(五二○○億円)の時価につり上げられたようなものです。これによってゼル氏個人の資産価値も、三億八○○○万ドル(四九四億円)に跳ね上がったことになります。株式上場は資金調達手段としても、また会社(不動産)オーナーの資産再評価と一擢千金の手段として、アメリカではすっかり定着した感があります。いまや不動産こそが、証券市場を通したマネーゲームの格好の対象になっているのです。